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路線バスの代わりは、登録ドライバーの自家用車だった — 桜島の東側で10月に始まった「あいライド」

公開: 2026年10月14日 / 書いた人: まえちん(かごいと運営者)

あいライドを短く言うと

  • 桜島白浜町・高免町・黒神町の各一部(対象エリア)と、決められた17の目的地の間を、予約を受けて走る。
  • 月〜土曜日の8時〜18時(祝日と12月31日〜1月3日は運休)。1人片道150円で、支払いは現金のみ。
  • 利用者登録をすれば、対象エリアの外に住む人も使える。

登録と予約の電話番号・受付時間は鹿児島市の登録・予約のページに、対象エリアの細かい範囲は市の対象エリア位置図に載っています。

2026年10月1日、桜島の東側、高免や黒神のあたりを通っていた市営バスの停留所17か所が廃止されました。代わりに始まったのが「あいライド」です。私は、廃止前の70番線に乗ったことがありません。運営している市バスなうでは、改正でデータから消えた17の停留所を記録しましたが、路線バスをやめた理由や、代わりの仕組みの詳しいことまでは書いていませんでした。その続きを、鹿児島市の会議資料と案内で調べました。書いてあることは鹿児島市と鹿児島市交通局の公開資料で確かめ(停留所名の突き合わせにだけ、自分の市バスなうの記録を使いました)、末尾に出典と更新日を載せています。

題名では「桜島の東側」と書きましたが、市の資料での言い方は「桜島白浜町の一部・高免町の一部・黒神町の一部」です。会議資料の事業計画には「桜島東部エリア」という言葉も出てきます。

路線バスをやめた理由は、会議資料に書いてある

あいライドの導入は、2026年7月17日に開かれた鹿児島市地域公共交通会議で話し合われました。そのときの資料9(PDF)は、変更の概要をこう書いています。

「特に利用の少ない区間の路線バス(市営バス60番線の一部、70番線)から交通空白地有償運送に転換する。」

同じ資料には、ここに至るまでの経過も書かれています。

7月17日の会議では、あいライドの導入(第5号議案)と交通局の路線の廃止(第6号議案)を含む6つの議案が、すべて原案どおり承認されました(会議概要(PDF))。交通局の告知によれば、70番 桜島代替線は9月30日で運行を終え、60番 桜島線は10月1日から便数と時刻が変わりました。改正の前後で便数がどう変わったかは、市バスなうにまとめています。

資料9には、営業係数の数字は出てきません。交通局が公表している市営バス路線別営業係数(PDF)では、令和6年度の60番 桜島線は262.98、市営バスの路線計は178.63です。この表では、70番線の分は60番線に含まれています。資料9の経過に書かれているのは、路線バスの運転者不足の状況、利用の少なさ、集落とバス停との距離、運行効率の低さで、営業係数は出てきません。

誰が運転しているのか

あいライドを走らせているのは、桜峰校区コミュニティ協議会です。市の案内(PDF)には「桜峰校区コミュニティ協議会が、登録ドライバーの自家用車を用いて運行します」とあります。

資料9の事業計画によると、運転者は協議会が選び、第二種運転免許を持っていない場合は国土交通大臣認定講習を受けます。車両は運転者の個人車両で、普通乗用車2台・軽乗用車2台の予定とされています。車体の側面には「あいライド」と書かれたマグネットシートが掲示されています(よくある質問(PDF))。

会議では、交通事業者から「運転手はボランティアなのか。また報酬の取扱は。」という質問が出ました。市は、今回の公共ライドシェアは「既存のボランティア運送とは異なるもの」で、運行の経費は市から協議会へ支払い、ドライバーへの報酬は協議会が定める、と答えています。事故などが起きたときは協議会が責任者を置いて対応する、という答えもありました。

法律の上では、道路運送法第78条第2号による「交通空白地有償運送」で、市はこれを「公共ライドシェア」と呼んでいます。運行の形は「区域運行(非固定ダイヤ型)」です。予約を受けてからドライバーの予定を確かめ、ドライバーとマッチング(予約成立)したときだけ走ります。マッチングしなかったときについて、よくある質問は「日時を改めて予約をいただくか、別の交通手段利用の検討をお願いします」と答えています。

誰が乗れるのか、どこからどこへ

市のページは、あいライドを「桜島地域にお住まいの方々の日常生活の交通手段」と紹介し、買い物や通院などでの利用を呼びかけています。一方で、利用者登録をすれば、住んでいる場所や年齢に関係なく使えます。案内PDFには「対象エリア内に居住している必要はありません」とあり、資料9の事業計画でも、旅客の範囲は「地域住民及び対象エリアへの来訪者」です。

乗れる区間には決まりがあります。対象エリアと、17の目的地の間だけです。対象エリアの中では自宅などから「ドアツードア」で乗り降りでき、目的地では決められた乗降場所を使います。対象エリアの中どうし、目的地どうしの移動はできません。エリアの外に住む人は、登録のときに乗降場所がエリアの中になるよう調整される、とよくある質問にあります。

市街地側や垂水方面へ行くときは、「路線バスやフェリーなどと乗り継いで」と案内されています。対象エリアの範囲は、案内PDFの地図と市の対象エリア位置図に示されています。

なお、桜島の南側には、これとは別に、鹿児島市と垂水市が令和4年10月1日から共同で運行している廃止路線代替バス(桜島垂水方面)があります。

なくなった17の停留所と、17の目的地

廃止された停留所は、会議の資料10(PDF)に載っています。町ごとに数えると、桜島白浜町が2か所、高免町が8か所、黒神町が7か所で、合わせて17か所です。

番号停留所
桜島白浜町(2か所)
①古河良
②奥平
高免町(8か所)
③後平
④高免
⑤高免小学校前
⑥桜島新町
⑦湯之浜
⑧西園山
⑨東園山
⑩西浦ノ前
黒神町(7か所)
⑪東浦ノ前
⑫西宇土
⑬東宇土
⑭黒神小学校前
⑮黒神中学校前
⑯塩屋ヶ元
⑰黒神口

資料10の「廃止する停留所」から作成。番号は資料の「図面上位置」の番号です。町は、資料に書かれた停留所の位置の町名で分けました。

この17か所を、市バスなうで記録した「データからなくなった停留所」17か所と突き合わせると、1か所を除いて名前が一致しました。違ったのは①で、資料10では「古河良」、交通局の改正前のデータと市バスなうでは「古河良港」です。表記が違う理由は、資料には書かれていません。

あいライドの目的地は17か所です。案内PDFの「運行目的地一覧」は次のとおりです。

番号運行目的地乗降場所
①桜島港桜島港前ロータリー
②桜島歯科医院桜島歯科医院入口付近
③レインボー桜島施設前駐車場付近
④AコープAコープ駐車場
⑤桜島公民館桜島公民館駐車場
⑥火の島めぐみ館火の島めぐみ館駐車場
⑦桜島病院桜島病院駐車場
⑧高齢者福祉センター東桜島高齢者福祉センター東桜島駐車場
⑨東桜島合同庁舎東桜島合同庁舎駐車場(庁舎北側出入り口付近)
⑩旧黒神口バス停旧黒神口バス停付近
⑪園山公民館園山公民館前
⑫東白浜バス停東白浜バス停付近
⑬白浜温泉センター白浜温泉センター駐車場
⑭二俣郵便局二俣郵便局入口付近
⑮JA鹿児島みらい桜島支店JA鹿児島みらい桜島支店駐車場
⑯桜島支所桜島支所入口付近
⑰西桜島郵便局西桜島郵便局入口付近

案内PDF(令和8年10月現在)の「運行目的地一覧」から作成。⑩の乗降場所は、案内PDFに写真で示されています。

⑩の「旧黒神口バス停」は、資料9の事業計画では「黒神口バス停」と書かれています。廃止された停留所の⑰も「黒神口」です。⑫の東白浜バス停は、改正後の60番 桜島線の時刻表(PDF)で、東白浜発・東白浜着として載っている停留所です。

2つの表は、CSVでも保存できます(廃止された17停留所/17の目的地。どちらも2026年10月14日に資料を取得して作成)。

使い方の流れ

案内PDFの「ご利用までの流れ」を短くまとめると、次のとおりです。

  1. 初回だけ、LINEか電話で利用者登録をする。
  2. 利用する便の3運行日前から2時間前までに、LINEか電話で予約する。
  3. 予約から2時間以内を目安に、利用できるかどうかの連絡が来る。
  4. 指定した乗車場所で待ち、乗るときに予約の名前を運転者に伝える。同じ便に2人以上の予約があれば乗り合わせになる。
  5. 運賃は1人片道150円で、現金のみ。敬老パス・友愛パスは使えない。未就学児は保護者1人の同伴につき1人分が無料。

よくある質問では、朝8時の便を電話で予約するなら前日まで、LINEなら2時間前まで予約できるとしています。キャンセルは1時間前までに連絡することになっています。行きだけ、帰りだけの予約もできます。

鹿児島市は2026年10月から、乗合タクシーを運行する一部の地域にデマンド交通システム「MITT(ミット)」を入れました。市の登録・予約のページには、対象の7地域の一つとして桜島地域(公共ライドシェア)が載っており、「乗合タクシーと一部運用が異なります」と書かれています。LINEで予約すると、予約状況や車両の位置も確かめられます。

これから変わること

運賃について、資料9には「令和9年度に運賃改定を行う予定」と書かれています。また、今回読んだ資料には、利用者数などの実績はまだ載っていません。

出典と確認方法

資料はすべて2026年10月14日に取得し、本文を読んで確かめました。停留所と目的地の数は、資料10と案内PDFの一覧を数えたものです。会議概要のPDFは、市の会議のページで同じファイル名のまま別の回のものもリンクされているため、この記事の引用は10月14日に取得した令和8年度第1回の会議概要によります。

この記事は個人が公開情報をもとにまとめたもので、鹿児島市・鹿児島市交通局・桜峰校区コミュニティ協議会とは関係のない非公式の内容です。運行日・時間、運賃、予約の方法、対象エリアと目的地は変わることがあります。利用される際は鹿児島市の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

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