今日、涼める場所を探している方へ
施設名だけで判断せず、利用できる期間・時間とアラートの条件を確認してください。「常時利用可」は、24時間・通年開放という意味ではありません。
- 涼しかの地図で近くの候補を探す。
- 施設の詳細で開放時間・休館日・利用条件を読み、自治体や施設の公式案内で確認する。地図の「開放中」は公表情報による判定で、現地の状況を確認した表示ではありません。
- 掲載がない地域は、環境省の自治体リンク集から「クーリングシェルター」と「暑さをしのぐ施設」の両方を調べる。
以下は2026年8月8日時点の調査記録です。数え方と確認範囲・市町村別の集計・710施設の保存データ・出典から読めます。
きっかけは、南日本新聞の記事でした。クーリングシェルターという制度があるのに、その存在があまり知られていない——そう書かれていました。たしかに自分も、名前は聞いたことがあっても、どこにあるのかは知りませんでした。それで、県内43市町村ぶんを一つずつ調べてみることにしました。この記事は、その調査でわかったことの記録です。
クーリングシェルターとは何か
クーリングシェルターは、正式には「指定暑熱避難施設」といいます。2023年に改正された気候変動適応法にもとづく制度で、2024年4月に全面施行されました。まだ始まって2年ほどの、新しい仕組みです。
冷房設備があるなどの条件を満たす施設を、市町村長が指定暑熱避難施設として指定できます。公民館、図書館、市役所の庁舎、郵便局などが指定されることが多いようです。指定された施設は、熱中症特別警戒アラートが発表されている期間中、あらかじめ公表された日時に開放されることになっています。誰でも、涼みに立ち寄れます。
ここで大事なのは、開放の条件が「熱中症特別警戒アラート」であって、「熱中症警戒アラート」ではないという点です。この2つは名前が似ていますが、別のものです。
熱中症警戒アラート……暑さ指数(WBGT)が33以上と予測されたときに発表されます。夏場はしばしば発表されます。
熱中症特別警戒アラート……県内すべての観測地点で暑さ指数が35以上と予測されるなど、過去に例のない危険な暑さが見込まれるときに発表されます。めったに出ません。
制度上の開放義務があるのは、「特別警戒」の発表期間中の、公表された日時です。それ以外の日も利用できるかは施設ごとに異なります。「熱中症警戒アラート」が出ているだけでは、すべての指定施設が開放されるとは限りません。
「涼み処」はクーリングシェルターとは別のもの
調べていて最初に戸惑ったのが、「涼み処」「クールスポット」「クールシェアスポット」といった名前の施設が、クーリングシェルターと並んで案内されていることでした。
これらは法律にもとづく制度ではなく、市町村や協力する店舗が独自に設けているものです。そのためアラートが出ているかどうかに関係なく、開館時間内なら立ち寄れるところが多くあります。名前は似ていますが、成り立ちも運用も違います。
利用する側から見ると、この違いはかなり切実です。「近所にクーリングシェルターがある」と知っていても、それが特別警戒アラートの発表時にしか開かないのなら、ふだんの暑い日には使えません。逆に涼み処なら、今日から使えるかもしれない。同じ地図に載っていても、意味がまったく違います。
43市町村を、一つずつ調べた
県内の施設をまとめて見られる場所は、探した限りありませんでした。そこで、各市町村の公式サイトを一つずつ開いて、掲載されている施設を書き写していきました。2026年7月16日から8月2日にかけての作業です。
思っていたより時間がかかりました。理由は施設の数ではなく、情報の公開のされ方が自治体ごとにまったく違うことでした。見やすい一覧表を用意している市もあれば、PDFが1枚あるだけの町もある。項目の粒度もばらばらで、受入人数まで書いてあるところもあれば、施設名と住所だけのところもあります。
県の資料の存在に気づいたのは、市町村をひととおり回ったあとでした。先に見つけていれば楽だったかというと、実はそうでもありません。詳しくは後述します。
この調査の数え方と確認範囲
- 対象と基準日:県内43市町村の公開情報を調べた、2026年8月8日時点の集計です。記事の更新日は文章や分類の修正日で、全施設を再調査した日ではありません。
- 集計対象:クーリングシェルターと涼み処等を合わせて数えています。両方に掲載された同じ施設は重複を除きます。例として、薩摩川内市は47+110−44=113施設です。
- 常時利用可:アラートの有無にかかわらず利用できると公式案内で確認した施設です。公式案内が、涼み処・クールシェアなどとして開設期間・開放時間を示して開放を案内し、アラートを利用の条件としていない施設も含みます。開設期間・開放時間・休館日の条件は別にあります。
- 常時利用の確認なし:アラート発表時に限る施設と、平常時の利用条件が不明な施設を含みます。「利用不可」と確認した数ではありません。
- 調査の限界:電話・現地での確認は行っていません。公開情報を見つけられない市町村は、施設がないとは判断せず、下表に含めていません。
各市町村の公式案内は涼しかの出典一覧からたどれます。この一覧は更新されるため、現在の掲載件数と以下の調査時点の件数は異なる場合があります。
わかったこと① 常時利用を確認できた施設は、13市町に集中していた
2026年8月8日時点で、県内43市町村のうち36市町村・710施設を確認できました。このうちアラートの有無にかかわらず利用できると確認したのが453施設、常時利用の確認が取れていないのが257施設です。後者には、特別警戒アラート発表時に限ると明記された施設と、発表時以外の利用条件が記載されていない施設を含みます。内訳は分けて集計していないため、257施設すべてが「発表時のみ」と確認できたわけではありません。
ここで一番驚いたのが、常時利用できる施設を公開情報から確認できたのは13市町だったことです。残る23市町村では、この調査時点で常時利用できる施設を確認できませんでした。
| 市町村 | 施設数 | 常時利用可 | 常時利用の確認なし |
|---|---|---|---|
| 鹿児島市 | 127 | 127 | 0 |
| 薩摩川内市 | 113 | 110 | 3 |
| 日置市 | 52 | 25 | 27 |
| 南さつま市 | 46 | 46 | 0 |
| 鹿屋市 | 43 | 43 | 0 |
| 奄美市 | 26 | 0 | 26 |
| 曽於市 | 22 | 0 | 22 |
| 出水市 | 19 | 19 | 0 |
| 瀬戸内町 | 18 | 0 | 18 |
| 志布志市 | 17 | 0 | 17 |
| 指宿市 | 17 | 17 | 0 |
| いちき串木野市 | 16 | 0 | 16 |
| 姶良市 | 16 | 9 | 7 |
| 西之表市 | 15 | 15 | 0 |
| さつま町 | 14 | 0 | 14 |
| 徳之島町 | 14 | 0 | 14 |
| 長島町 | 14 | 0 | 14 |
| 枕崎市 | 13 | 13 | 0 |
| 肝付町 | 13 | 13 | 0 |
| 伊佐市 | 12 | 0 | 12 |
| 阿久根市 | 12 | 12 | 0 |
| 垂水市 | 9 | 0 | 9 |
| 南大隅町 | 8 | 0 | 8 |
| 喜界町 | 8 | 0 | 8 |
| 屋久島町 | 8 | 0 | 8 |
| 天城町 | 7 | 4 | 3 |
| 伊仙町 | 6 | 0 | 6 |
| 錦江町 | 6 | 0 | 6 |
| 龍郷町 | 5 | 0 | 5 |
| 南九州市 | 3 | 0 | 3 |
| 大崎町 | 3 | 0 | 3 |
| 湧水町 | 3 | 0 | 3 |
| 与論町 | 2 | 0 | 2 |
| 和泊町 | 1 | 0 | 1 |
| 大和村 | 1 | 0 | 1 |
| 霧島市 | 1 | 0 | 1 |
2026年8月8日時点。各市町村の公式サイト・公開PDFに掲載されている情報から集計しています。公開されていない施設は含みません。「常時利用可」は、出典ページに「アラートの有無にかかわらず利用可」等の記載がある施設と、涼み処・クールシェアなどとして開設期間・開放時間を示し、アラートを利用の条件としていない施設を数えています(後述)。
施設数そのものにも大きな開きがあります。鹿児島市の127施設に対し、霧島市・大和村・和泊町は1施設です。ただしこれは「公開されている情報の範囲では」という但し書きつきの数字だということは、強調しておきたいところです。指定はしているけれど一覧を公開していない、という自治体があってもおかしくありません。この記事の数字は、あくまで住民が自力で調べられる範囲を写したものです。
公共施設が475、郵便局や店舗などの民間施設が235でした。3分の1近くが民間の協力で成り立っているのは、調べる前には想像していませんでした。
710施設の保存データから、集計を確かめる
2026年8月8日に保存した施設データが残っていたため、2026年9月28日に集計用のCSVを書き出しました。710行を市町村別・常時利用の分類別に数えると、上の36市町村の表、453施設・257施設、常時利用可を記録した13市町を再確認できます。
- 施設ごとの保存記録(CSV・710施設):施設名、市町村、当時の住所、分類、公共・民間の区分、当時の案内URL。
- 市町村別の集計(CSV・36市町村):上の表と同じ行順の集計。
- データの数え方・保存版・注意点:書き出し元と、各列の意味。
これは、今日使える施設の一覧ではありません。後から転記・分類を修正した施設もありますが、過去の集計を再確認するため、このCSVには後日の変更を適用していません。案内URLの内容も更新されるため、当時のページ内容そのものを保存した資料ではありません。
今日の候補を探す場合は涼しかの地図と施設・自治体の公式案内をご確認ください。調査データには営業時間・休館日・座標・開放中の判定を含めていません。
わかったこと② 「発表時だけなのか」が書かれていない
集計していて一番てこずったのが、その施設が特別警戒アラートの発表時にだけ使えるのか、ふだんから使えるのかが書かれていないケースがあることでした。
施設の名前が「涼み処」であっても、ページのどこにも「アラートに関係なく使えます」とは書いていない。逆に、クーリングシェルターとして紹介されているのに開放期間だけが書いてあって、条件の説明がない。読む側としては、行ってみるまで分かりません。
以前は、記載がない場合も「発表時のみ」として扱っていました。しかし、常時利用できると確認できないことと、発表時にしか利用できないことは別です。表の分類を「常時利用の確認なし」に修正しました。利用条件が明記されていない施設については、発表時以外の利用可否は未確認です。
地図でも、常時利用を確認できた施設と、それ以外を区別します。常時利用の確認がない施設は、特別警戒アラートと公表された日時などに基づいて開放の目安を判定しますが、平常時に閉まっていると確認したわけではありません。実際の利用可否は施設・自治体の公式案内をご確認ください。
わかったこと③ 県の資料と、市町村の情報がずれる
鹿児島県も、指定暑熱避難施設の一覧を公開しています。ただしこれは施設の一覧表ではなく、各市町村のページへのリンク集です。県内の施設をまとめて見比べられる形にはなっていません。市町村を回ったあとにこの資料を見つけて、「これがあっても結局は一つずつ開いて回ることになったな」と思いました。
そしてこの資料は、版によって載っている市町村が変わります。実際にずれていた例を2つ挙げます。
龍郷町
2026年7月に参照した版では、龍郷町は掲載されていませんでした。そのため「対象施設なし」として扱っていました。ところが県が2026年7月に差し替えた新しい版(令和8年6月末時点)には、町のページへのリンクが載っています。開いてみると、りゅうがく館と町内4つの郵便局、あわせて5施設が指定されていました。
志布志市
志布志市は、県の資料にリンクはあったのですが、そのリンク先がサイトのリニューアルで404になっていました。現行のページを見つけられず、「情報未確認」として保留していました。今回あらためて同じURLを開いたところ、復活していて、17施設が掲載されていました。
どちらも、県や市町村に落ち度があるという話ではありません。制度が動いている最中で、指定が増えたりページが作り直されたりするのは当たり前のことです。ただ、調べる側から見ると「一度調べたら終わり」にはならないということです。私自身、7月に「施設なし」と判断した町に、実際には5施設あったわけですから。
この2件は記事を書く準備をしている最中に見つけたもので、気づいてすぐ涼しかのデータにも反映しました。
わかったこと④ 「2つの制度」が別々に公開されている
この記事を公開したあと、環境省が全国の指定状況をまとめたリンク集とCSVを公開していることに気づきました。県の資料より基準日が新しく、全国分がそろっています。もっと早く見つけていればと思いましたが、見比べてみて、もっと重要なことが分かりました。
環境省のCSVは、市区町村ごとに2つの列を持っています。
- 指定暑熱避難施設に関する市区町村ページのURL(クーリングシェルター)
- 暑さをしのぐ施設に関する市区町村ページのURL(涼み処・涼みスポット等)
つまり国の側でも、この2つは別のものとして管理されています。そして市町村によっては、それぞれ別のページで公開しています。片方のページだけを見ていると、もう片方をまるごと見落とします。
実際、私がそれをやっていました。薩摩川内市は指定暑熱避難施設47件のページを見て、それで終わりにしていました。ところが同じ市に「涼みスポット」が別ページで110件あり、そこには「熱中症特別警戒情報が発表されていない日でも、熱中症予防のため、市民の皆さんが一時的に暑さをしのぎ、涼むことができる場所」とはっきり書かれています。ふだんから使える場所が110あるのに、1つも拾えていなかったことになります。なお、指定暑熱避難施設47件のうち44件は涼みスポットにも載っていたため、表では重複を除いて113施設(常時利用可110・常時利用の確認なし3)として数えています。同じことが姶良市でも起きていて、こちらは省エネのための常設の取り組み「クールシェア」9施設が別ページにありました。
この記事の最初の版では「常時使えるのは9市町だけ」と書きました。薩摩川内市・姶良市・枕崎市・南さつま市を加えて13市町に、常時利用できる施設は275から453に増えています。数字を直したうえで、間違えた経緯もそのまま残しておきます。片方しか見ていなかったというのが、この調査でいちばん大きな見落としでした。
利用する側へのお願いとして書いておくと、お住まいの市町村を調べるときは「クーリングシェルター」と「涼み処」の両方で探してみてください。 別のページに分かれていることがあり、ふだん使えるのはたいてい後者のほうです。
この調査は、クーリングシェルターを現在地から探せる地図「涼しか」を作るために行ったものです。調べる過程で出典の読み方をどう間違えたか、どう直したかは涼しかの制作ノートに書いています。
調べきれなかったこと
43市町村のうち、知名町だけは最後まで確認できませんでした。公式サイトにクーリングシェルターに関するページを見つけられず、県の資料にもリンクがありません。指定がないのか、公開していないだけなのかは分かりません。
三島村・中種子町・南種子町・宇検村は、参照した県資料に該当ページの掲載がなく、施設情報を確認できていません。十島村・東串良町は、参照時点の環境省リンク集で「準備中」とされていました。掲載がないことを、施設が存在しない証拠にはできません。これらの自治体は集計対象外として扱います。
電話で問い合わせれば、はっきりしたことは分かったはずです。しませんでした。個人が趣味で作っているサービスのために、自治体の窓口の時間を使わせるのは違うと思ったからです。求められれば動きますが、こちらから負荷をかけには行かない。そう決めています。
なので、この記事の内容は「公式サイトに書かれていることを、一つずつ読んで集めたもの」です。それ以上でもそれ以下でもありません。
まだ始まったばかりの制度です
調べ終えてみて思うのは、この制度はまだ発展途上だということです。2024年に始まったばかりで、指定の数も自治体によってまちまちで、情報の出し方もそろっていません。県の資料も、まとまった一覧というより、まだリンク集の段階です。
それでも、こういう仕組みがあること自体は、知っておいて損はないと思います。特別警戒アラートが出るような日に、行き先の当てがあるかどうかは大きな違いです。お住まいの市町村に指定施設があるかどうか、涼しい日のうちに一度だけ調べておく。それだけで、いざというときの選択肢が一つ増えます。
この記事を読んだ方が、自分の街のクーリングシェルターを一度でも検索してくれたら、書いた意味があったと思います。
鹿児島県内の施設を地図で探す
この記事の集計は2026年8月8日時点の記録です。その後の追加・修正を反映した施設情報は、涼しかで現在地から近い順に探せます。公開された利用条件とアラート情報に基づいて、開放中と判定した施設を表示します。現地の開放状況をリアルタイムに確認しているわけではなく、臨時休館や満員などは反映できない場合があります。登録不要・無料です。
出典
- 環境省 熱中症予防情報サイト「改正気候変動適応法」 https://www.wbgt.env.go.jp/doc_ccaa.php
- 環境再生保全機構「指定暑熱避難施設について」 https://www.erca.go.jp/heatstroke/shonetsu/
- 鹿児島県「熱中症予防強化キャンペーン実施中!」(指定暑熱避難施設一覧を掲載) https://www.pref.kagoshima.jp/ae06/kenko-fukushi/kenko-iryo/nanbyo/netsu2.html
- 環境省 熱中症予防情報サイト「指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)・リンク集」 https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_shelter.php
- 施設情報は県内各市町村の公式サイト・公開PDFより。市町村ごとの出典URLと確認日は涼しかの運営者情報ページに一覧を掲載しています。
この記事は個人が公開情報をもとにまとめたもので、鹿児島県および県内各市町村とは関係のない非公式の内容です。施設の開放状況は変わることがあります。実際に利用される際は、各市町村の公式サイトで最新の情報をご確認ください。熱中症特別警戒アラートの正式な発表内容は環境省 熱中症予防情報サイトでご確認ください。