ガイド

桜島の退避壕は32か所ある — 退避舎・避難港との違いと、島の避難のしくみ

公開: 2026年9月17日 / 書いた人: まえちん(かごいと運営者)

桜島の島内には、噴石から一時的に身を守るための「退避壕」が32か所あります。鹿児島市の避難施設・誘導看板のページに書かれている数で、場所は同じく市が公開している桜島火山ハザードマップに番号付きで載っています。この記事では、退避壕と名前の似た施設との違い、火口からの距離で決められている範囲、そして市の避難マニュアルと気象庁の情報から、桜島に住む人と訪れる人に関係することをまとめました。内容は鹿児島市と気象庁の公開情報にあたって確認し、末尾に出典とページの更新日を載せています。

退避壕とは何か

鹿児島市の避難施設・誘導看板のページでは、退避壕を「住民や観光客等が噴石等から一時的に身を守るための施設」と説明しています。設置場所は「桜島島内の主要道路沿いや展望所等」です。対象に観光客が含まれている、というのが大事な点です。

同じページには、名前の似た施設が2つ並んでいます。役割はそれぞれ違います。

退避壕(32か所)……噴石等から一時的に身を守るための施設。主要道路沿いや展望所等にあります。

退避舎(20か所)……海上避難のとき、フェリーなどの救助船舶が到着するまでの間、安全に待機するための施設。避難港の近くにあります。

避難港(20か所)……大規模噴火の恐れがある場合に、島民等がフェリーで島外へ避難するための港です。

つまり、噴石からその場で身を守るのが退避壕、島の外へ出るのを待つのが退避舎、という分担です。島内には、現在地や島外までの距離を示す案内板と、退避壕・退避舎などへの誘導看板も設置されています。

退避壕がどこにあるか

32か所の場所は、市の桜島火山ハザードマップで確認できます。地図では退避壕が番号付きの記号で示されていて、退避舎や避難港、島内避難のときの避難所なども同じ地図に載っています。桜島へ出かける前や、住んでいる地区の近くにどの施設があるかを知りたいときは、この地図を見るのが確実です。

火口からの距離で引かれた線

ハザードマップには、南岳山頂火口と昭和火口を中心にした円がいくつも描かれています。それぞれ意味が違います。

2km……災害対策基本法第63条に基づく立入禁止区域。市のページによれば、大きな噴石の飛散や火砕流の発生による危険があるため立入が禁止されていて、違反には罰則規定があります

2.4km……強い山頂噴火のときに、噴石が到達する可能性のある範囲。

3km・3.5km……警戒範囲がこの距離に広がると、島の一部の地域で「島内避難」が必要になります(後述)。

現在の状況は、気象庁の火山活動の状況(桜島)で確認できます。2026年9月17日時点では、2022年7月27日に発表された噴火警戒レベル3(入山規制)の火口周辺警報が継続しています。9月14日に発表された解説情報によると、9月11日から14日15時までの間に南岳山頂火口で6回の噴火があり、大きな噴石は火口から最大で約600mまで達しました。

桜島を訪れる人に関係すること

市が地域ごとに作っている桜島火山避難マニュアル(住民用)には、観光で訪れる人にも関係することが書かれています。

一つめは、噴火警戒レベル4で出る「高齢者等避難」の対象に、観光客が含まれていることです。マニュアルには「高齢者等(避難に時間がかかる方や観光客など)は避難」とあります。住民全員に避難指示が出るレベル5より前の段階で、観光客は避難する側に入っています。

二つめは、避難指示が出ると、桜島フェリーには人とペットしか乗れないことです。マニュアルには「避難指示が発令されたら、桜島フェリーは人・ペットのみ乗船可能(自動車の乗船はできません)」と書かれています。

ハザードマップは、日本語・英語・韓国語・中国語の4言語で公開されています。中国語は簡体字と繁体字の2種類があります(日本語版は令和8年4月更新、ほかの言語版は令和5年6月更新)。市はこの地図を「桜島を訪れるすべての方」に向けて作ったと説明しています。

桜島に住む人に関係すること

避難マニュアルについて、市のページには「住民の皆様には令和5年7月に桜島火山ハザードマップとあわせて配布しています」と書かれています。マニュアルは地域ごとに分かれていて、2種類あります。

一つは、大規模噴火のときの島外避難のマニュアルで、島のすべての地区の分があります。もう一つは、大きな噴石が飛んだときなどの島内避難のマニュアルで、こちらは有村町、黒神町(塩屋ヶ元)、東桜島町、古里町(古里西・古里東)の分だけが作られています。有村町のマニュアルでは、島内避難が必要になるのは「居住地域付近への大きな噴石(20〜30cm以上)の飛散や火砕流の流下等が発生し、警戒範囲が3km又は3.5kmとなった場合」とされています。

ハザードマップでは、島を斜めに区切る線を境に、基本的な避難方法が「バス乗車フェリー避難」「バス乗車陸路避難」に分かれています。住んでいる地区によって、避難の方法そのものが違うということです。

有村町のマニュアルには、ほかにも細かい決まりが書かれています。世帯全員の避難が終わったら玄関などに「避難完了板」を掲示すること。避難生活は、島外避難で最短2週間、島内避難で最短3日間を想定していること。ほかの地区については、それぞれの地区のマニュアルで確認してください。

小さな噴石の予想範囲を、地点ごとに知りたいときは

気象庁の降灰予報には、灰の範囲だけでなく小さな噴石が飛ぶ予想範囲も含まれています。灰なうは、その範囲と自宅・職場など登録した地点を照合して、登録地点が予想範囲に入ったときにお知らせします。噴火の速報も届きます。無料で、会員登録は要りません。

出典

この記事は個人が公開情報をもとにまとめたもので、鹿児島市・気象庁とは関係のない非公式の内容です。施設の位置や数、避難の決まりは変わることがあります。実際の避難は、鹿児島市からの避難情報と気象庁の発表に従ってください。

← ガイド一覧 かごいと トップ

本サイトは Google AdSense およびアフィリエイト広告を利用しています。詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。